元レッドソックスのティム・ウェイクフィールド(Tim Wakefield)氏が2023年10月1日、57歳で亡くなりました。
ウェイクフィールド氏は得意のナックルボールでメジャー通算200勝を挙げた名投手です。
このナックルボールの変化の仕組みは、投げたボールの後方にできる空気の流れの変化によるものであるが、流体力学的にはこのような物体が空気中を動いたことによって後方にできる領域のことを後流、英語ではWakeまたはWakefieldという。
なんとウェイクフィールド氏の名前が彼の得意とするボールの変化の仕組みを表す言葉と一致するのです。
ナックルボールとはボールにできるだけ回転を与えないように投げることで、ストレートに比べ遅く揺れながら打者の手元で落ちるボールのことです。回転が少ないことで空気抵抗の影響が大きく減速するため手元で落ち、また縫い目の影響で揺れるのです。
下図のように回転が少なく遅いナックルボールでは後流の幅が広く空気抵抗の影響を受けやすく、回転が多く速いストレートでは後流の幅が狭くなり空気抵抗の影響を受けづらいのです。
本ホームページは天気に関するページであり、まったく関係ない話題であるかと思われるが、
気象現象でも後流(Wakefield)はみられるものです。
有名なのは下写真のような現象です。
島の風下にカルマン渦と呼ばれる渦が発生しています。これも島の後流領域といっていいでしょう。
九州の西に発生したカルマン渦https://www.data.jma.go.jp/sat_info/himawari/obsimg/image_cloud.html#obs_j20201109
<画像引用元および参考資料>
・頑張れ!Wakefield!
https://www.fit.ac.jp/~mizota/!wakefield!.htm
・プロ野球選手が放つ驚くほど回転する変化球の原理とは?【すごい物理の話】
https://love-spo.com/sports-lab/sugoibuturi028.html
・硬式野球ボールの変化球を風洞実験でみると*
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jvs1990/24/93/24_93_86/_pdf
・ナックルボールの不思議?(第 3 報)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaweam/2004/0/2004_0_38/_pdf/-char/ja
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